銀山温泉考

  そろそろあれから一年

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 ふと思い出したのを機に行きたいと考えていた旅館を、あらためて行く「つもりで」吟味しての旅館選びをしてみようと思います。

 まずは泊った古山閣から。

  • 9部屋。カード不可。
  • チェックイン14時半チェックアウト10時の19時間半滞在
  • 風呂×3、貸切(露天)風呂あり、利用時間制限なし
  • 部屋にトイレあり。夕食のみ部屋。

 

 能登屋

  • 15部屋。カード利用可。
  • チェックイン14時チェックアウト10時半の20時間半滞在。
  • 風呂×4(冬季は3)、露天風呂あり、貸切風呂あり、利用時間不明。
  • 部屋にトイレあり。夕食のみ部屋。

 

 古勢起屋別館

  • 14部屋。カード利用可。
  • チェックイン15時チェックアウト10時の19時間滞在。
  • 風呂×2、露天・貸切共になし、4時~24時。
  • 部屋にトイレなし。夕朝食共に大会食場にて

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以上、それぞれの宿のホームページからで、ホームページに記載されてなかったものは予約サイトから補っていますが、双方で違っていたりして混乱・・・。

 赤字は他より優っていると思う点、青字は劣っていると思った点です。

 きちんと調べてみると、古勢起屋別館は何枚も落ちますね。

大した不便さではないにしろ部屋にトイレがないよりある方がいいし、風呂を貸し切れた方が快適だし、部屋食も同様、滞在時間は4つ3旅館中一番短いし。

 フロに焦点を絞れば、露天の貸切があると明記されていない能登屋も1枚落ちる。

上記3旅館ではなく他の旅館の話ですが、風呂の利用時間に制限があるのにもかかわらずそれがホームページに書かれていない旅館があって、その旅館は部屋の情報も乏しく部屋のトイレの有無など予約サイトの方がしっかり表記されているお粗末具合。

 ちなみに極々私見を述べさせてもらうとこの四文字旅館だけは絶対に泊まりません

ホームページはあるものの一例とかでとにかく情報が少ないためわざわざ電話で問い合わせてみれば受け答えが失礼過ぎ。客になろうとして尋ねている人間に対しどういう考えしてたらああいう人を小バカにしたような応対できるのか、人間性を疑いました。

そちらにとってつまらない質問だろうとこちら側の価値はこちらで決める

イチイチ電話で答えるのが面倒と思うならば、ホームページを充実させろ、と。

 こういう一期一会の客商売がなんたるかわかってない人が電話に出てしまうような宿に行く価値はないと思います。不便さは親切さで補うもんだと思うんですが、入口(ホームページや電話)から不親切なれば、何につけてもこちらの都合じゃなくて自分ら宿側の都合で制限をつけられているようで、気分悪い滞在になるのが目に見えている。

 ついでに言えば予約サイトの口コミで低評価がないのも怪しいし。

 

 書いていて「宿側の都合」ということで思い出しましたが、銀山温泉のどの旅館もきっと(全てを確認していないので)朝食は広間の一か所にでだと思うんですが、この朝食を食べている間に部屋の布団をあげられていたんですよ。

 2時間もしたら宿から発たなければいけなかろうと食後にもう一度横になりたいと思うことはあると思うんです。客が鍵を返してから、もしくは最低限客にそれをすることを確認し了承してからやればいい、やるべきを客に問う事なく行うその姿勢・・・。

 これも「”宿の都合のみ”でそうしてるだけ」に思えました。

 そうされる事を言われてないし、何も聞かれてませんから。

勝手に部屋に入ることさえ聞いてなかったので驚いたけれど、チェックアウト後にやりゃいいことなのに(時短のためはわかるけど)これをやられてたせいで「さっさと帰れ」って言われてるようで不快になったのを思い出しました。

 

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 どの宿も共通して基本は夕朝二食付きで、宿泊料金は2名で3~4万前後。

「銀山温泉」という場所による価値が上乗せされているわけで、あちこち行って経験豊富な人ほど料理や部屋、設備といった環境面から割高に感じるのかなと思います。

ただ日本国内だと倍以上の開きを見ることも少なくない平日と土曜や年末年始なんかとでそれほど差をつけていないので泊まる日によっては割安と考えられるでしょう。

 自分が安いと思えなかった理由は、「宿泊料金に見合った食事・部屋(設備)・サービスだったか?」と問われると微妙で、特に食事面が不満だらけだったためです。

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 とは言え、どうやら自分に合った一番良いと思われる旅館に泊ってたようですね。

 たまたま最初に空きが出て予約出来たのが古山閣だったというだけでしたけど、結果は幸運で良縁。こういう引きに出会えているから「直前決め」は止められない。

 泊り比べたわけじゃないのであくまでもフロを一番に考えての話になりますが、ただ部屋や食事はどこも似たり寄ったりな感じだと思うんですよね。

 残る違いは「人」。

 古山閣は人も良かったので、おススメするのは古山閣か藤屋。

 泊まったわけではないので、泊まった感想ではなく「だろうなあ」という推測になりますが、現代における快適さを重要視される方には間違いなく藤屋がいいと思います。

無線LAN一つにしても今時用意していないというのは、宿泊者側に立ってモノを見ている・考えているとは思えません。古さやそういう不便さを推すのはいいんですが、こちらでオンオフ出来る問題ですので。

これが素泊まりで1泊5000円って言うならこんなことは書かないのですが、でも実際はそういう格安の宿の方がしっかり導入されている現実。うーんって感じです。

 銀山温泉で感じた不満って、小さな温泉街での閉鎖的な部分が悪い意味で現れていると思うんですよね。部屋に無線LANがなかったり、朝食を部屋でに選べなかったり、その間に布団を勝手にあげてしまうのだったり、って言うのは「お金(≒人手)の問題」という事だったとしても全部旅館側だけの都合であって、もちろん1部屋8名とか最大数泊まって50名とか100名になってしまうと無理なのかもしれませんが、少なくとも夜はそう(部屋食)してくれてるわけですから朝も一膳で完結してくれていいからなんとかなんないの?と思った具合ですし、このようなもてなし方や宿泊料の横並び具合って競争のなさ談合の現れに感じてました。

 

 その他の旅館ですが、どこも(大正、昭和初期を思って行くと)新しすぎて情緒に欠けそそられず、それらに泊まるなら「他の温泉の旅館の方が・・・」という感想です。瀧見館なんかは好みな感じに見えるんですが、要の川沿いから離れた裏側なので、ならば川沿いの旅館の方が・・・とやはり痛し痒し。

 また行くことがあれば素泊まりの設定がなくとも飛び込みで、なんて考えたりもしましたが、昨今の人気具合を見ると交渉出来る望みは薄いでしょうね。

甲府プリンスホテル 朝日館 シングル

 ここも朝食で印象が良くなりました。

と言っても浜松のゲンズホテルのようにではなく、そのサービス(気持ち)が嬉しくてという範囲。

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 ザ・日本(昭和)の朝食って感じ(玉子は生卵だったんですが焼いてもらえました)。

 「やっぱり朝に食べるならこういう朝食だよなー」と、味噌汁、豆腐、シラス、漬物のおいしさに、また甲府に来たらここに泊まる(朝食目当てで)のもアリだな、なんて食べながら思ってました。

 

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 駅からの道すがら2ホテルの前を通りましたが、その駅から離れている分安くなってる印象。禁煙というくくりの中では最安、朝食付きのプランで消費税込み3790円。

ちなみに通りから見た感じニューステーションはこことどっこい。クラウンヒルズの方はちゃんとしたレストランのようなものがあり、その分だけ格調の高さが漂っていたような。にしても1階ロビー部分に大浴場新設ってめちゃくちゃな改修してますな。

 

 海外の予約サイトによると部屋の広さは13平米で、9や8だのの一桁平米の部屋よりは確かに広く、荷を解く場所に困るほどではない。

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そのおかげか若干いつも感じる「独房感」は減っています。ほんとに「若干」ですが。

 しかしなぜかアジアで1000円もしないような安宿で感じるのと似たようなものを、日本のビジネスホテルでも感じるんですよね。

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 造りの問題か、明るさの問題か、安さを追求した結果、独特の空気が生まれるのか。

こういう画一的な質感なんかは綺麗、汚いにかかわらず、日本全国どこの施設だろうと同一設計者なのかって思うくらい同じ感じの仕上がり。

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汚さは感じてないので清潔感でではないと思っているんですが(注 清潔感があるとも思っていない)、なんか湿っぽいといいますか、「ビジネスホテルだなぁ・・・。」という古めのビジネスホテル特有の雰囲気はここにもあって。

 水回りが一番綺麗だなと思いました。使われてるであろう年数程の劣化はない感じ。

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 霞ガラスですが、そこそこ開けることが出来る窓。

線路がすぐそばですけれど、本数がさほど多くないからなのか、駅から近いせいで速度がそれほど出てないからか、滞在中騒音として気にしたことはなかったです。

 

 部屋に籠って滞在を楽しむっていうホテルじゃありませんが、一晩過ごしてしまえば「住めば都」感は出ますし、朝食込みの3000円台で一長一短。

宿泊すると周辺で経営されてる三つの健康ランドを無料で使えるそうで、歩いて行けるほどの近さにはないけれど(一番近くて車で20分)2050円という利用料金がタダなのは太っ腹。行ってみたかったです。

ホテル銀座ダイエー スタンダードツイン

 予約サイトの画像から判断するとそこそこ古めのビジネスホテル。

場所は歌舞伎座の裏手あたりで、銀座の方から来ると昭和通りを渡るので銀座というよりは東銀座。

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 土曜で税込み13700円(1000円近く安いプランもあり)。立地と需要を考えれば悪くはない宿泊料。当日売れ残っていた部屋の中では一番広い部屋だったと思います。

と言っても部屋の広さで選んだわけではなく、他のホテルは13平米だの9平米の中、このホテルで空いていたのは今回泊まったこの一部屋だけで、表示されたプランの一つに

 「ゆったりバスルーム+マッサージチェアーの最強タッグ★洗面、トイレ、バスがセパレート★パート2!」

というのがあって、ここのところ宿泊先の選定を「大浴場」で決めることが多かったんですが、今回は洗い場付き浴室の写真を見て決めました。

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 ホテルのホームページを見てもこの部屋の詳細ははっきりしなかったんですが、予約サイトの文には18㎡超とあり、写真の注釈には20㎡(スタンダード・ツインDX)とありました。

部屋の位置はホテルの一番奥で、路地の方の角。そのためか周りの部屋から音は聞こえず、こちらも過ごしやすい。

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 角部屋なので二方向に窓がありましたが、銀座の裏路地かつ高層でもないので御覧の通り雰囲気はない眺め。

ただ、歌舞伎町や香港なんかがモロそうなんですが、こういうゴミゴミした雑居ビルの集まりや屋上が好きな自分にとってはかなりイイんですよね。

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 マッサージチェアもあって部屋は写真を見る通りキツキツなんですが、ビジネスホテルの部屋で感じる圧迫感のようなものはなくて居心地は悪くない。

写真ほどの窮屈さを感じなかったのは、絶妙の広さというか狭さからでしょう。

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狭い(小さい)ながらも必要とされるものはきっちり詰め込まれていて、「あれがあれば」とか「何がない」というような不便さが全くなかったのが良かった。

三井ガーデンの銀座プレミアでも感じたことですが、18平米を越えてあるとだいぶ違って充分居心地の良い空間を作れるんだと思いました。

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 部屋の印象を何より良くしていたのは、視線が気にならない二面の窓と、全く期待していなかったマッサージチェアかもしれません。

安っぽい見た目に反してふくらはぎもみまで付いたしっかりしたもので、バカにできないくらい揉まれ心地が良くて何度も使わせてもらいました。

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位置から考えるとトイレやフロにも窓があってもいいはずなんですが、コロしてしまっているようでどちらにも窓はなく、ホテル全体と比べやたら新し目に見えた水回り。

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豪華な感じは微塵もありませんけれど、ビジネスホテルとしては十分で、よくある家庭用サイズに見えた浴槽は写真で見ていたよりもゆったりとしていて長風呂出来ました。

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 あと毎度ビジネスホテルに泊まるたびに思いますが、ホテル内に自販機があるのはやっぱり楽(上の画像に写ってますが、ホテル玄関脇にもあります)。

 

 近所に某予約サイトだとビジネスホテルではなくなぜか普通のホテル枠に入っている先払いのどう考えてもビジネス枠なホテルがあるんですが、そこよりも格段に居心地良く快適でした。

 この時は時間が足らなくて新規開拓は出来なかったのですが、自分が足を踏み入れていない所に宿をとると新しい発見だらけで周辺探索が楽しく、こういう点も今まで泊まったことのない違うホテルに泊まりたくなる要素の一つなんだと思いました。