コロナ禍での宿泊料と震災後の宿泊料の比較 其ノ壱

 以前震災後ひとまず落ち着いた頃のものと比較しつつ記録として。画像全て一休.com

 まずはコンラッド東京から。

 2012年2月一番安い日が31300円、土曜でも33350円の日が(税・サ込)。

そして2020年8月、平日は31141円で統一されていて、土曜は34415円。

ですがこれは2012年の画像と違い消費税・サービス料は含まれておらず、込みでの金額は36054円と39848円。

それと予約時点でカード決済を選ぶと5%のポイント(それぞれ1800と1990円分)がもらえるのでそれを引くと、平日34254円、土曜37858円が総支払額になり、2012年当時から消費税とサービス料が上がった分を考えたら同じくらいですかね。

 コンラッドは好きなホテルなのでよく見ていますが、立地的にちょっと人気がないのか同じ頃に開業したマンダリンオリエンタル、シャングリラ、ペニンシュラと比べ若干安目になってる事が多い印象。

 

 

 次グランドハイアット東京。なぜか2月のがなく1月のものになります。

なので最初の週の土曜は3万円でありますが、平日は30000円か36000円、土曜は36000円が最安(税・サ込)。

2020年8月は最安が平日で33712円(税・サ込、ポイント即時利用)、ですがこれを書いている日の翌日という特殊な条件下なので、下旬だと土曜日でもある35752円が実際の最安で、更にこの宿泊料金で4000円くらいはするインルームダイニングでの朝食が2人分ついてくるプランになってます。

それらを引いて考えた部屋代を28000円、消費税サービス料の上昇分を考えれば単純に2012年の料金から7%高くても同じくらいの危機的状況と判断しているはずで、やはりそれ以上のかなり厳しい状況なんだなと思いました。

 ディプロマットスイートが予約サイトに出てるのは珍しいですね。そして平日とはいえ10万を切る、しかも朝食付きですから。

 ここも好きなホテルの一つなんですが、3月末に公式の予約サイトを見た時グランドハイアットよりパークハイアットの方が安くて驚き。

概ね平日40000円くらいの室料で適正というのが自分の感覚なんですが、ここ数年はそれを超え、築年数や部屋の広さを考えるとかなりな割高に見えてたんですが、これは外国人の利用、立地による需要が高いと見ていました。

 

 

 次、マンダリンオリエンタル東京。

 2012年2月の最安は平日が42000円、土曜で53000円。

2020年の最安は、アメリカンブレックファスト(のみ)のインルームダイニング付きプランが13%のポイント即時利用で消費税・サービス料込平日55475円、土曜61422円。

 このホテルグループとはバンコク、台北とともにどうも相性が悪く印象が良くないのですが、上記設定の朝食付きプランではチェックインが16時からとなっていたり、和食の朝食を選べずアメリカンブレックファストのみってのがグランドハイアットとは違っていまして、和朝食は朝食の中でも一番高い金額になっている場合が多いためそこに制限をかけているのはセコイと言っちゃーセコイ。

 自分の見てる限りこことペニンシュラとフォーシーズンズ東京は中々50000円を切る料金を見ないホテル。

 

 

 ザ・ペニンシュラ東京。

 2012年2月平日38000円、土曜50820円が最安。

2020年8月は平日52880円(消費税サービス料込ポイント即時利用)、土曜56723円。

ペニンシュラも一番安いプランで朝食付き。マンダリンオリエンタルとは違い部屋食で和朝食も選択可能。

 比較して見ると税・サ込みで4万円切る日もあった2012年の異様さ。

 近くを歩くことはあるんですが、泊まるには至らないホテルの一つ。

 どうもこの皇居とJRの線路の間に泊まるのはつまらなく感じて、泊まる選択肢には挙がってこない一帯で、ペニンシュラへ食事に行こうとはよく思っても泊まろうと考えたことは今までで一度きり。

ここら辺に泊まることになったとしたら帝国の方を先に考えるので、何か特別な縁が生じないとなかなか機会には恵まれないと思ってます。

 

 パークハイアット東京。

 2012年2月平日は44179円、土曜52000円が最安。

2020年8月こちらも朝食付きのプランが最安で、平日42687円、土曜45356円。

26周年を記念して26%オフの料金に、スパ施設無料(通常1人4400円)、アメリカンブレックファスト(のみ)のルームサービス、13時のアーリーチェックイン14時のレイトチェックアウトで25時間滞在確約と3つの特典付き。

 「結構がんばったプラン」というよりも「かなり苦しい」と見えた印象。

 26周年で26%オフとあえて切りの悪い数字を出すくらいなら、どうにかチェックインタイムを12時からで26時間滞在出来るようにしたらまだカッコ良かったんですがね。

レストランやスパの営業がどうなっているか、どういう風にしているかは調べてないので知りませんが、まぁしっかり管理出来るほどの密度(利用量)なんでしょう。スパも部屋の滞在時間延長も利用客が少ないのであれば無料で開放しようと損まではない勘定なので、ホテル側が身を切って血を出してまでのサービスというほどではないですし。

 2012年の方はプラン内容、特典の有無といった詳細がわからないのですが、パークハイアットもさすがに古くなってきたと言う事なんでしょう。と自分は思いました。

良いホテルなのは間違いないと思いますが、今回のこの宿泊料の設定と特典内容から(今までもホテルクレジットがついたプランや、実質35000円くらい(税・サ不明)の宿泊料は過去に見たような記憶があるんですが)その人気に陰りが?という風に感じたのは自分だけではないんじゃないかと。

 

 ここまで見て来て、どのホテルもとりあえずこのコロナ禍では朝食付きのプランで販売することでなんとか「見た目上の宿泊料」を保つ、ための苦肉の策と見えました。

ここらクラスのホテルに自分がしていて欲しい新型コロナウイルス対策(料飲部門)としては「もう全てルームサービスのみ」なんですが、まぁこれは費用、人員の問題からそうは舵を切れないんでしょう。

 今回の天災(人災ではないことを願ってますので)、震災後の復興時と違って、応援するという意味では一緒ですけれど、まだまだ終息や好転の兆しが見えないだけに両手放しに「安い安い」という風にはなれませんね。

武漢肺炎について

 現時点でこんな世の中にされた、中国、武漢の一般需要があるか疑問な特殊市場を恨み、新型コロナではなくあえて「武漢肺炎」で書かせてもらいます。

 このブログを今のこの独自ドメインに引っ越して来た時、世間はホテルの食品偽装問題が騒がれていて「時事ネタを扱うのはやめよう」と決めてたんですが、だいぶ時間も経った上、「旅行」という枠でもかなりの大問題なので、新規更新がてら私見を少々。

 自分の記憶では年明け早々の段階ではそこまで騒がれてはおらず、「また武漢から???」「なんなんだよあそこ」というのと「またSARSみたいにどうせ大したことなく(注)おさまるんだろう」と思いました。

 ただ「今年の春節」はいつだろう?と気になり検索したのは覚えています。

 その後武漢市に滞在していて帰国した人の感染が確認され「これ春節で来る中国人の入国全部拒否るくらいやらないとヤバいんじゃないの?」「これが逆で、中国なら(日本人の入国拒否)やれるけど日本じゃやれないよな・・・」とある種の残念さを感じてましたが、その後武漢からの客を乗せたバス乗務員の感染、中国が武漢市を封鎖との報道を見て「あーこれ(最悪の場合)終わったんじゃ・・・」と、取り返しのつかない事態になった場合「最悪どれくらいでおさまるんだ?」と過去のインフルエンザの大流行を検索して、「年内ではおさまらず、数字上で2年、年をまたぐことになりそうだな」という風に思っていました。

 ちなみにSARSの時はタイのチェンマイに居たので、日本や東アジアでどの程度の騒ぎになっていたかということを体験として知りませんで、自分がタイで感じていたものはさほど大したことないと言いますか、流行が騒がれ出してから入国して来た旅行者には検疫があったため一応皆「流行り病」として知っている程度の軽さで、ホテル併設のバーで咳き込んでいたらそれを見た通りがかりの同宿のイギリス人から「SARS?(笑)」と挨拶がわりにからかわれましたが、そういう冗談に使われるくらいの感じでした。

 前投稿、伊香保行きはかなり悩んでました。

春節後の2月、マスクが騒がれ始めた頃で当然キャンセルも考えましたが、伊香保では中国人観光客を意識したことがなかったこと、(自分としては珍しい)一か月以上前から予約していてとても楽しみだったこと、それと「もしかしたらこれがまともに出来る最後の旅行になるかもな」なんてことを考えて、行くことにしたんです。

 まだ道中ではマスクしてる人を見た記憶がないくらいでしたが、最初の旅館、二食付きで部屋食ではなかったので広間で他の客と一緒に食事をしてると、現場仕事で泊まってる風な職人の人がいきなり咳をしていてとても不快になりました。

色々騒がれ始めただしたって初期の頃だったので、まだ感染に対する意識の差は日々ニュースを見る習慣のあるなしってことだけでもだいぶ開きがあったと思うんですが、咳してるならなんとか言って一人別にしてもらうとか、周りに配慮して部屋に持ち込んで食べるなり何かするべきだろうに口も押さえることなく咳をしていて・・・・・・。

 また宿泊施設の対応としては、どこもまだ何もしていないと言っていい時期だったので、旅館の評価とは関係のない事でそれには触れずに書き進めましたが、その客が来て咳をされ即残りをかっ込んで出たくらい嫌な状態だったのは言うまでもなく、翌朝の朝食は一番遅い時間にしていたためその人とは出くわしませんでしたが、昨晩同様あんな感じで咳をされていてその同じ空間で食事をするかと思うと気分がいいわけもなく・・・。

 この一件だけで「たかが見知らぬ人の咳一つでこんなにストレスかかるんじゃ、とてもじゃないけど当分旅行や外食するのはないな」という考えになりましたが、まさかこんな世の中になってしまうとは。

 その後の報道、自粛要請など、日々普通に出来ていた事が出来ないという今まで味わったことのない特殊な環境下に「戦時中の不便さってこういうもんだったんだろうな」から「これはもはや戦時中と思って同じくらいの協力(我慢)しなくちゃならないんだな」という感想を抱くに至り。

 

 GOTOキャンペーンの根っこ部分も同じと感じてるんですが、お偉方の考えでは夏、暑くなってきたら「インフルエンザのように」落ち着いて来ると楽観的に見ていたんだと思えます。

 震災の時の福島の原発、いくら蒸気になって大気開放しようとどっかに穴が開いていなけりゃ容器(原子炉)に水が入り続けるわけがないという単純明快な事同様、真夏になろうと日本での真夏のようなマレーシアやシンガポールでも騒ぎになる時点でインフルエンザとは違って「そうはならない」というのは小学生でも思い至る考えだと思うんですが・・・。

 GOTOキャンペーンに関しては「やるしかなかった」という風に感じています。

 コロナ禍初期の3月、4月あたりに倒産しているところは、もともと終わっていたくせに武漢肺炎を体のいい理由にバンザイっていうだけの問題外な話ですが、少なくとも自分の目線からは震災の後より悪く感じていて、都心のホテルの宿泊料で言えば震災後しばらくして落ち着いて来た頃より悪いか(安く)、辛うじて同等といったところで、グランドハイアットよりパークハイアットのが安いという時もあったりして、外国人観光客頼りのところほど相当マズイ状態なのは、入国する人が99.9%減なのを聞いたら想像に容易く、感染者数だけで見ればぶり返しが来ている今の時点でも見送れないというより、武漢、中国からの渡航を拒絶しなかった時点で、ブラジル政府がとった対応と似たり寄ったりの政策に遅かれ早かれなっていく、せざるを得ないんじゃないかなぁというのが私見になります。

マスクをしなくていい世界、隣の人を気にしなくていい世界。
良かったですよねぇ。

伊香保温泉 横手館 本館西棟客室

 ここの写真を初めて撮ったのが2013年の1月だから7年越し。”やっと”泊まりに行きました。

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 やっとになった理由。

  1.  直前の予約が困難
  2.  自分の旅行体系として2食付きしか”ない”旅館が好きではない
  3.  宿泊料を調べたら「普通の旅館」だった

と、この7年の間伊香保に何度も来ていて泊まらなかったのは、泊まろうと思っても前日や当日の検索では結果に出てこなくて予約出来ず、もし素泊まりがあればもっとあっさり泊まっていたと思いますけれど、2食付きの旅館の料金としてはどっちつかずの中途半端で微妙な、当たりハズレがはっきりと分かれる価格帯のため「大きく二の足を踏んでしまってた」というのが正直なとこ。

 ただいざ予約を入れ調べてわかったんですが1と2については予約サイトを見るのが好きな人だとハマりやすい罠だと思うんですが、銀山温泉の旅館と同様公式ホームページから予約となるとかなり柔軟で、泊まりたかった西棟と常磐苑は当日の14時まで素泊まりでの予約も可能な状態でありました。

 

 まずは食事から。

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 チェックインで小奇麗なとこに案内されたんですがそこはダイニングで、書くにあたり調べてみたら部屋食よりもそのダイニングで食事をするプランの方が1000円高い設定でしたので、ダイニングでの食事の方に力を入れてるんでしょう。

 自分の選択は断然気楽な部屋食です。

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 正直あまり華美ではない、宿泊料金から考えて「これくらいは」と思う程度の料理。ただどこぞの旅館と比べればがんばっているように感じました。

 はっきりと美味しかったのは嶺岡豆腐くらい(上の写真の左上)。

 部屋食の欠点として、もちろん最大限気を使ってくれてはいるでしょうが、どうしても焼き物他、部屋で火をつける鍋以外の料理は間が悪いと全て冷めてしまってから配膳される可能性があって、それは宿泊客が多ければ多いほど運と言いますかどうしようもないところ。

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 ダイニングは一品だしと書いてあったので、そういう面ではこういう食事を出来立ての状態で食べたいのであれば、時間がかかったとしてもダイニングでの食事を選択した方が良いという事での差額なんでしょう。

 鍋の鶏は普通にウマかったですし、こういう食事がキライなわけではなく、とにかく献立を見た時点でワクワク出来ないというのに不満なだけで、献立からある程度味の想像がついてしまっている状態で待っているわけですが、いざ料理が運ばれてきて目にしたものに驚きがないとやはりときめけず。

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 あと常々思っていることですが、「連泊」客のことを考えて作ってる献立じゃないんだろなーっていう旅館が多すぎだと感じます。

実際の需要がそう(1泊2日の宿泊客が多い)で仕方のないことと理解はしてるんですけど、いい宿へは基本2泊から考えるようにしてるため自分で選択肢を狭めてるジレンマがあります。

 写真は撮りませんでしたがデザートは普通。

マティーニグラスのようなのにプリンとりんごがのっていました。

 

 朝食は上等。ホントこれくらいの朝食が丁度良い。

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味噌汁は固形燃料で温めるようになってまして、おいしすぎておかわりが欲しかった。

 

 次、風呂。

 木造の本館に風呂付の部屋はなく(別館の部屋にはあります)、月光折鶴という大浴場が時間によって男女切り替わり、それと先着順ですが空いていれば何度でも利用可能な無料の貸切家族風呂が3つ(毎時ちょうどからの50分間)。

どの風呂も源泉そばの露天風呂と同じ黄金の湯の掛け流しで、露天風呂がないのが残念と言えばそのとおりなんですが、貸切風呂が3つもあって無料というのはかなり良くてありがたい。

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 脱衣所に水筒が置いてあり冷水が飲めるようになってましたが、大したことじゃないけれどこういう心遣いがあると気分はとても上向く。

到着後月光、朝に折鶴とどちらへも入ってみての感想ですが、月光の方が広く開放的と感じたんですが、なぜか狭めの折鶴の方が気に入りました。窓の向こう側の差か、雰囲気が良い。

IMG_4418 (Large)貸切家族風呂・壱

 貸切風呂は時間になると部屋へ電話がかかってきて、鍵を受け取りにフロントへ行き案内される~という方式で、夕食後と朝食前にを利用しましたが、どちらも4人は入れる広さ。18時~19時の夕食前で考える人が多いようなので、そこらがいい人は予約後速やかに電話して押さえるべきでしょうね。

 

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 そして期待はしなくとも一番大事な部屋ですが、宿泊料金が一番安いのは玄関に向かって立っての右手側(上の写真、横手館と書かれた照明のある側)、歴史そのままの本館西棟。

部屋に風呂トイレ洗面等の水回りは一切なく、暖房はあるけれど冷房なし。今回泊まったのがこちら。

 次に安いのが繋がってはいるものの後になって増築したと思われる(今は使われていないフロント、ロビー玄関が裏手にあった)別館常磐苑の部屋で、こちらは部屋に風呂トイレはついていて、冷房もアリ。

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 一番高く設定されているのが10年前(平成22年)に改装された本館の東棟で、トイレ洗面冷暖房があって風呂だけない部屋。

高いと言っても西棟の部屋との差額は2名で税込み4400~8800円程度。

 この東棟をちょっと覗かせてもらった感想としては「実に綺麗(当たり前)なんだけど味気ない」で、こういう部屋に泊まりたいのであれば他の旅館の方がいいはず。

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 外から見た感じ結構大きい旅館と思っていたんですが、実際広い(東西に長い)は広いんですが、総部屋数は40とそれほど大きい旅館ではありません(一昨年泊まった森秋旅館は80室でしたし、敷地が桁違いに広いホテル小暮は111室)。

 西棟以外に「どうしてもこの旅館に泊まりたい」理由が見当たらない自分には、旅館全体で一番泊まりたかった「西棟の中でも一番良いと思える」部屋に泊まりました。

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 3階西棟側の角部屋「あららぎ」。

他のどの部屋とも違い、部屋の中に広縁までの縁側があるのが特長。

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 大工だったというおじいが(生まれる前に他界)こういう小洒落た造りの家を建てていたのが幼少期の記憶としてあるせいか、居心地とは関係ありませんし、部屋に居て見て過ごす部分ではありませんからどちらかと言えば無意味と思ってるんですが、こういう余分なものに惹かれます。

 古い建物、部屋だと不便な部分が多いですけれど、それを我慢出来る良さがある。

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 とは言っても、部屋は普通。

ビリヤードのキューが好きで寄木細工にも興味を持ったことがあったので建具の組子には目が行きましたが、興味ない人にはただの和室でしょう。

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こんな凝った造りの部屋なのにところどころ手入れが行き届いてない部分も目についてしまい、それはすごく残念。

 目の前が金太夫(旅館)の裏側で眺めはないに等しく、横手館より奥には何もないため人通りはほとんどなくて、「不満」ではないんですがその無さがただただ残念で、広縁の椅子に座って日向ぼっこしてるとかなり暇で静寂すら感じます。

同じような広縁があるのなら向かいの東棟の部屋からのが「眺め」はマシでしょう。

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 「何かしよう」と思っては行ってませんが、これぞ正しき温泉旅館と言わんばかりに風呂へ入る以外やることがないんですよね。

草津みたいな広い温泉街じゃないので行けば行くほど無目的にウロつくことはなくなって、今じゃ石段沿いの店はほぼ素通りですし、かといって岩手の温泉くらい何もないわけじゃないので完全に籠ろうって気にもまだなれておらず。

IMG_4349 (Large) IMG_4355 (Large)IMGP7640 (Large) IMGP7641 (Large)

 寝転がろうと思ったら押し入れにも布団がなく勝手に敷くことが出来なくて、それが不便と言ったら不便でした。畳に座布団枕で寝そべりましたが。

 反対に便利かなと驚いたのはエレベーターがあったこと。

3階まででしたが(西棟は4階まである)こういう旅館だろうと必要に迫られてなんでしょうね。

部屋からは遠回りになるのも理由ですが、自分にとっては木造建築に泊まりに来てるのに風情がなくなるというか、雰囲気が崩れるため部屋への案内時に一度使ったっきり。

 さほど寒くなかったせいか、トイレは部屋になくても気になりませんでした。

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洗面は部屋の前だったので、部屋から出る必要こそありましたが、もし部屋内にあっても移動距離的にそんな変わりはないくらいの近さにあって不便さ感じる事なく使えてました。

 部屋の冷蔵庫内の顔ぶれがすごく好印象で珍しく撮影(笑。

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 瓶の飲み物って好印象なんですよねー。

コーラやウーロン茶なんかガラスの瓶で飲む方がおいしいと思っている派でして、風呂上りのポカリやオロナミンCは最高にウマいし、この選択最高。

 館内にはソフトドリンクの自販機があります。

大浴場手前には牛乳系の自販機もあって持ち込みせずとも十分でしょう。

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 値段也のいい旅館だったという感想です。

ただ一方で部屋、食事、サービスなど様々な面で物足りなく思う人も少なくはないだろうなとも感じていて、それは館内を探検していた時に思った「もうピークを終えてしまった旅館」という見立てがしっくりくるかなと思います。

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 広間(宴会場)はもう使われていないようでしたし、新館に当たる別館常磐苑の屋上には足湯プールやマッサージチェアがあったんですが、それらの案内はありませんでしたし、写真の通り使われてないのは歴然で、こんないい眺めのある場所があるのにカビ臭く放置されてるなんて哀しさを感じました。

 これを仕方なく思えるのは伊香保においてもここはけっして「高い旅館」ではないという事実があります。

IMG_4364 (Large)西棟四階

 そのシワ寄せはサービス面でも現れていて、例えばチェックイン。

他の客らと到着がかぶってしまい仲居さんが全員出払っていた。というのならわかるんですが、そうではないのに何のためにあそこ(ダイニング)で待たされ、宿帳を書く必要があるのかわからなかった。その時出されたシイタケ茶はとても美味だったんですが。

 食堂の場所を知る必要のない部屋食を選んだ自分にとっては食堂への案内は必要ありませんから、玄関からそのまま自分の泊まる部屋へ案内してもらってそこでゆっくりそのお茶でも飲みながら記帳させてくれる方が所謂高級旅館のそれですし、1秒でも早く部屋に入れるのは客としてありがたいことなので、そうする場合と比べ、宿側の人手と、手間と、客にかける時間はそう変わらないんじゃない?なんて思っていました。

 玄関からその食堂までの案内が女将というわけでもなかったですしね。

すべて仲居さん。ちなみに女将らしき人の姿を見たのは最後会計時の帳場でのみ(笑。

 

 7年前の投稿の時は吉田屋旅館に泊まっていて、真冬の大雪に出くわしたのもあって石段周辺の徘徊のみで、目にした旅館は石段沿いのばかり。

石段沿いでは下の方の千明仁泉亭が別格な佇まいで、次点に木造四階建ての迫力で歴史を感じさせるここ横手館という感じで、特に暗くなっての雰囲気は抜群のものがありました。

 その後何度か伊香保を訪れ知ってくるんですが、伊香保温泉での高い旅館というのは、千明仁泉亭(34室)、古久家(39室)、ホテル小暮(111室)に、別館タイプの福一別館諧暢楼(8室)、塚越屋七兵衛別館香雲館(10室)、かのうや別邸そらの庭(9室)、ら辺。

 この6つから今後泊まるかもしれないのは、別館タイプは好みでないので、千明仁泉亭、古久家、ホテル小暮のどこかになるかと思うんですが、食べたいと希望してない食事のために高くなってしまう旅館に泊まるのはいつになるやら。それくらい伊香保の食は少ないながらも充実してる方だと思ってます。

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